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呼び込み

 枕の連載

 「メンチポテト」というべきところを「メンチコロッケ」と言ってしまい、妙にうろたえたものの、そんなことはすっかり忘れてまた件のサンドウィッチ屋さんへ。ところが、それまですっかり忘れていたのに思い出さなくても良い時に思い出した。お店の前に立ちおねぇさんが「いらっしゃいませ~」と言ったその瞬間。前回の失敗が脳裏に浮かび上がり、小心者クィーンと言っても過言ではない私は、そんなどうでも良い場面で頭が真っ白になる。「えーと。アレ、なんだっけ。えーとえーと」なんてことはない、ガラスケースを覗けばそこに商品は陳列されているのである。それを見れば慌てずに目指すサンドウィッチを買うことが出来るのである。「あー、えーとえーと」
 次回最終回(多分)

 

 帰宅時、最寄り駅に降り立ち駐輪場へと向かう道はささやかな歓楽roadである。ささやかなと言ってはささやかに申し訳ないほどの歓楽road、要は居酒屋であるとかお好み焼き屋さんであるとかスナックであるとか、若い(かどうかは定かではない)きれいな(かどうかも定かではない)おねぇさん(かどうかも定かではない)がいるお店が立ち並ぶのである。

 その手のお店の前、時刻ともなれば呼び込みのおにぃさんたちが手持ち無沙汰に立っている。私がその前を通る時、おねぇさんがいる(と思われる)お店にまさか私を呼び込もうなどと言う事もないであろうから、おにぃさん同士で立ち話などしていらっしゃる。今までは偶々なのか、あまりそのおにぃさん方が呼び込みをしている場面に遭遇した事はない。

 今日も偶々なのであろう。数人の会社帰りと思われる男性がちらほら前後を歩いていた。そこで呼び込みおにぃさん、お仕事である。

「さ、キャバクラどうでしょう」

 それだけである。しかも普通に地声程度の音量である。「さっ、キャバクラどうでしょう」

 「どうでしょう」と言われてもどうなのであろうか。これが「さっ、キャバクラどうでしょう!」となるとまた違うのであろう。元気良く「どうでしょう!」と言われたら「を!いいね!」などと思うかも知れず、ふらふらと疲れた心を癒そうと世の殿方の心をくすぐるかもしれない。だが地声である。誰に呼びかけると言う事もなく「どうでしょう」と言われたら「どうでしょうかねぇ」と極普通の会話になりそうである。呼び込みってこんなものなのであろうか。

 だからどうと言う事もない。疲れている時はどうと言う事もないことが気になるものである。

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