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大人ですから(その3)

 すでに記憶が薄らいでくる中、やっと最終章。

 新宿紀伊国屋南口店で見事お使いを果たし、再び新宿駅へと向かう。高々本を買う程度のことで「見事」ってどうかなどと言ってはいけない。私にしたら「見事」であったのだ。

 途中うろついてしまったものの、常に小走りであった為にそれほど時間のロスはない筈だろうと携帯電話を取り出し時間の確認。着信あり。O青年である。

 今買い終わったのでこれから会場に向かいます。

「ご苦労様です。大丈夫でしたか」

 ええ、もう何も問題ありません。

 軽く息を上がらせていつつもさらっと「何の問題もありません」と答える私。そう、何故なら大人だから。決して「うわーーん、迷子になりかけましたー」などと半泣きしてはいけない。何故なら大人だから。たとえ心の中で半泣き状態であったとしてもである。

 新宿から高田馬場まで2駅である。今度こそ何も問題ない。そう、飛び乗った電車の中でアナウンスを聞くまではそう思っていたのである。

「この電車は各駅停車の…」

 かくえきていしゃ?山手線に各駅停車?じゃ急行とかあるのか。

「次は~大久保~大久保~」



 勿論大人の私は会場に息を切らせて走り込み、なんてことはしないのである。たとえ電車を二度も乗り間違えて心臓バクバクしてても、である。何故なら、大人だから。

 そうしてようやく街の不動産屋さん、“待ち”の経営から抜け出すの出版記念パーティにたどり着き、脳内のドタバタっ振りなどおくびにも出さず、にこやかに皆様にご挨拶したのである。

「ご苦労様。お腹空いたでしょ。いっぱい食べて」

 はい。(とりあえずビール)

「遠慮しないで食べていいよ」

 はい。(とりあえずビール)

「ちゃんと食べてる?」

 はい。(とりあえずビール)

 大人なので、走って喉渇いたらとりあえずビールであるのだ。そう、大人だから…。

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