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あるOLの証言--その6--

 これで(多分)連載最終話。入社して3ヶ月の頃。

 個人情報保護法なんてのが施行された。全てのユーザーが「個人情報取り扱い業者」に当たるわけなので、対応に追われる以前に勉強が必要だ。勉強会を開いて具体的に何をしなければならないのかなどを学ぶ。

「と、まぁユーザーが対応しなければならない内容は以上の通りです」

 ふむふむ。

「後は社内の対応ですが、具体的には山ほどありますが」

 山ほどあるのか。大変だぁ。

「例えば、社員以外が訪れた時に社員全員が誰が誰であるか一目で判るようにバッチをつけるなども必要です」

 バッチ?

「これね。ネーム」

 む。

 気づけば周囲は皆バッチをつけているのである。勿論社名と個人の名前入りである。

 えと、あの。と、おずおずとISAO氏に話しかける。この三ヶ月間の出来事で彼の返答は予測することができるのであるが、そこを先読みしたのでは可愛げがないのである。大人しく聞いてみた。

 バッチなんですが。

「バッチ?」

 それです。その胸の。ちなみにご覧の通り私はないんですが。

「あ」

 自分で注文しなくちゃいけなかったでしょうか。と言うか注文するものなのでしょうか。どこかにあって自分で作るとか。もしかしてもしかしたらバッチは必須じゃなかったとか。

「あーあー。えっと、Tさん。cyaimiさんのバッチ頼んであげて」

 あ、やっぱり頼まなくちゃいけなかったんですね。必須なんですね。

「いやいやいや。ほんっとにcyaimiさんのこと冷たく扱ってるわけでもいじめてるわけでもないからね。信じてね。ほんとだよ」

 ええ、勿論信じてます。棒読みなのは気にしないでください。慣れちゃったとかそういうことです。



 以上「忘れられていた私--あるOLの証言--」完結。

 数ヶ月後に続編が出ないことを切に望むのである。

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